政府の布マスク配布は、夢の世帯カバレッジ100% (2020年4月)
［オフィスクサカベ・ブログ］
政府の布マスク配布は、夢の世帯カバレッジ100% （2020年4月）
何かと話題の布マスクが、我が家にも届きました。
マーケティング的には、民間企業では決してできない
世帯カバレッジ100％という夢の施策です。
この布マスク配布では、日本郵便のタウンプラスという
指定地域の全世帯に荷物を届けるというサービスを利用しています。
通常は、市や区といった地域を指定するのですが、
今回は日本全国を指定地域にしています。
とても民間企業では、できない超特大キャンペーンです。
この全戸配布で思い出すのが、「Blaster（ブラスター）」
というコンピュータウイルスです。
2003年8月、インターネットに接続するだけで
Blasterに感染するパソコンが爆発的に拡大。
それにより、マイクロソフトのサポート電話がパンクするほどの
問い合わせ電話が殺到したのです。
このBlasterに対応したセキュリティパッチは、
既に提供されていたのですが、当時はセキュリティパッチを
適用していないパソコンが多く、かなり（殆ど？）の
パソコンが感染してしまったのです。
ちょうどお盆の時期で出社しているマイクロソフト社員は少なく、
いやも応もなく、Blaster担当となりました。
早速、主要新聞に社告広告を掲載し、販売店向け資料を制作し、
Blaster対策CD-ROMも制作しました。
このCD-ROMを配布する方法が大きな課題となりました。
当時はタウンプラスのようなサービスはなく、
一般家庭に対策CD-ROMを届ける方法がありませんでした。
仮に、タウンプラスのようなサービスがあったとしても、
全世帯へ配布する費用を負担することはできなかったでしょう。
（今回の配布費用は26億円のようです）
全世帯（6300万戸）に戸別配布するということは、
一般的に言われているような簡単な施策ではなく、
これだけの短期間で配布を開始できたことは、
“プロジェクトX” 並みの取り組みだと思います。
最後に、布マスクの実物は、想像以上にしっかりとしていて、
大きさもちょうど良かったです。
関係者の皆様、ありがとうございました。
・・・それでは、また次のブログで。 ［オフィスクサカベ・ブログ］